鬼才 福沢桃介の生涯
NHK出版 ISBN4-14-080528-5
浅利 佳一郎著 定価1,700円(税抜)
2000年6月25日発行


鬼才福沢桃介の生涯
 かなり面白い人だと思います。一時期この人について調べる事にはまっていました。日本の無尽蔵の資源である水を使って発電所を造った人ですが、この人の経済観はお手本にしたいところと反面教師にしたいところと色々と興味深いものが有ります。
 慶応大学に入学し、その学生時代に貞奴(のちに川上音二郎と結婚し、紆余曲折あって夫婦でアメリカへ渡り、サンフランシスコで初舞台を踏み、パリの万国博覧会に出演。日本を代表する世界の大スターになった人です。わが国女優の祖と呼ばれているそうです。川上貞奴。)と知り合いになったが、アメリカへ留学、その留学と交換条件で福沢諭吉の娘のふさという人と結婚という、なにかいまの週刊誌がもし当時あったら飛びつくような複雑な人間関係で、さぞ周囲の人からいろいろ言われて大変だったのだろうと思うんですが、その環境をバネにしたのかどうか、独立独歩の起業家精神を貫き通し、また、リストラ=首切りとは無縁の感動感激の良質の経営者だったそうです。
 また、新しいもの好きで、本文から引用すると
@商業用の暗号電報と鉄道専用パスの開発。
A日本最初の民間外債の募集。
B米国留学から帰国の際、自転車を日本に持ち込んで、それを乗り回した。
C学生で一番最初に洋服を着た。
D外国船をチャーターした最初の人。
E創立した会社の株式募集にプレミアを付けた。
F生命保険会社から初めて融資を受けた。
(日本最初の生命保険会社は福沢諭吉の影響をうけた慶応義塾出身者が明治14年に創設した明治生命)
その他電力送電最初とかダム式発電所の開発とか、歌劇を日本で最初に公演したなどアイデアマンだったようです。
 この本では過去に出版された本などの文献や福沢桃介に関わった人達やその子孫へのインタビューをもとに福沢桃介像を再構築しています。



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