ゾーン　相場心理学入門
パンローリング株式会社　ＩＳＢＮ4-939103-57-9
マークダグラス著　世良敬明訳　定価２，８００円（税抜)
２００２年４月１０日発行


ゾーン
　恐怖心ゼロ、悩みゼロ、淡々と直感的に行動し、反応することというキャッチコピーに引かれて読んでみました。
　普通の生活だと上手くいく人がなぜ相場の世界では上手くいかないのか。そこには幼いころから刷り込まれた生活習慣と恐怖心によって現状を正確に把握することが困難になり、なぜかミスをする方向に動いてしまう心理があるみたいです。
　相場の世界の特殊性として、世間一般にあるような規制や制限がなく、自分の思うままに動くことができ、かえって自分でミスを防ぐような規制を作らないと失敗したときに誰も止めるものがなく破滅するまでいくこともあるので、自分を律し、リスクの許容量を前もって決めてそれに従い、油断しなければ恐怖心が起こってミスをすることがなくなるそうです。ここは一般の仕事にも当てはまりそうです。
　 また、かってな期待をし、そのとおりのことが実現しないと期待すれば期待しただけ精神的苦痛が生じるので、きちんと現状を把握して過剰な期待をもたないようにすることや、ミスをしたときも自虐的に自分が悪いから結果が悪かったのだと思いがちでそこから新たにミスが発生するので、原因をよく調べミスを回避すること。また、いま目の前で起きていることは過去に起きた事とはぜんぜん別の事件でありランダムに発生しているので、過去に起こったことが今回もまた起こるとは限らないのをよく頭に入れて安易に過去と同じ方法をとらないなどをわかりやすい事例を使って説明されています。
　ほかの業種に転職するとこれと同じような心理状態になるなぁと思いながら読みました。会社勤めだと会社が規則を作ってくれるのであるていどミスが防げますが、やはり自分で律して一定の基準で行動しないと失敗しやすいんですね。ホームページでコンテンツをアップするときもかなり恐怖心があります。日々気をつけていこうと思いました。


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